プロローグ ※R18

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プロローグ ※R18

「おぇ……っ!」  無理やり口にねじ込まれた陰茎が暴発し、一度喉奥へと吐き出された熱が口内へとせり戻ってくる。その熱を目の前の男の汚い靴へと吐き出してやると、いつものように背中へと鞭が振り下ろされた。  肌を裂くその衝撃に、吊るされた手錠がそれに合わせてガチャガチャと音を鳴らす。  もう痛みも感じなかった。ただ鼻につく嫌な鉄の臭いだけが、この体にまだ感覚が残っていることを示していた。  おもむろに秘部へと陰茎が差し込まれ、衝動的に喉から嗚咽が漏れ出たが、それすらもどこか他人の声のようにスィルには思えた。 「は、あぁ……ん……っ」  いつまでも続くこの行為に、自己防衛のためにいつしか体は勝手に苦痛を快楽へと変換する。  ゴツゴツとした固い手で体を弄られ、無理やり高められてゆく熱。それに抵抗することなく、揺さぶられるままにスィルは体を明け渡した。  楽になりたいと願った。そのためなら体を切り離すことくらいわけなかった。  ただ、心だけは変わらず遠く離れた母国へと向けられている。  風が吹いては砂が巻き上がる、乾いた大地。緑の生えない死の土地だと言われているが、そこにあるいくつもの暖かい生活をスィルは知っていた。  残してきた民たちの顔が浮かぶ。そしてそれをかき消すようにして、大きく体が揺さぶられた。  獣じみた声を背中で聞いて、最奥へと叩きつけられた刺激。  あぁ、ようやく解放される。  何度目かの熱が放たれたのを最後に、スィルは静かにその目を閉じた。
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