1017人が本棚に入れています
本棚に追加
プロローグ ※R18
「おぇ……っ!」
無理やり口にねじ込まれた陰茎が暴発し、一度喉奥へと吐き出された熱が口内へとせり戻ってくる。その熱を目の前の男の汚い靴へと吐き出してやると、いつものように背中へと鞭が振り下ろされた。
肌を裂くその衝撃に、吊るされた手錠がそれに合わせてガチャガチャと音を鳴らす。
もう痛みも感じなかった。ただ鼻につく嫌な鉄の臭いだけが、この体にまだ感覚が残っていることを示していた。
おもむろに秘部へと陰茎が差し込まれ、衝動的に喉から嗚咽が漏れ出たが、それすらもどこか他人の声のようにスィルには思えた。
「は、あぁ……ん……っ」
いつまでも続くこの行為に、自己防衛のためにいつしか体は勝手に苦痛を快楽へと変換する。
ゴツゴツとした固い手で体を弄られ、無理やり高められてゆく熱。それに抵抗することなく、揺さぶられるままにスィルは体を明け渡した。
楽になりたいと願った。そのためなら体を切り離すことくらいわけなかった。
ただ、心だけは変わらず遠く離れた母国へと向けられている。
風が吹いては砂が巻き上がる、乾いた大地。緑の生えない死の土地だと言われているが、そこにあるいくつもの暖かい生活をスィルは知っていた。
残してきた民たちの顔が浮かぶ。そしてそれをかき消すようにして、大きく体が揺さぶられた。
獣じみた声を背中で聞いて、最奥へと叩きつけられた刺激。
あぁ、ようやく解放される。
何度目かの熱が放たれたのを最後に、スィルは静かにその目を閉じた。
最初のコメントを投稿しよう!