主人公はエゴイスト

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それは確かに運命の出会いだった。 風になびく漆黒の髪は肩下で綺麗に切りそろえられていた。 肌寒くなってきたにもかかわらず夏の制服を着て 屋上、柵の向こう側にいる彼女。 「あの、」 別に止める気なんてなかった。 ただ単純に興味を持ったのだ。 その顔に、声に、性格に。 しかし彼女は振り返らずに、私の視界から消えていった。 最悪の形で。 ふわりと浮く体。重力に逆らわず下を向く頭。 私はただ呆然と彼女を見ていた。 嗚呼、意外と女の子らしいふくよかな体をしているんだな、 なんて考えながら。
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