生と死

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生と死

警視庁の刑事をしている勝取 正直は仕事ばかりをしていたせいで奥さんから離婚を言われ娘への権利は向こうに渡った。 ある事件から数年がたった時、刑事を辞めて探偵になった正直の所に元同僚から電話があった。 「もしもし、篠北だが」 「おぅ!篠北か、久しぶり。どぉした?」 「お前の娘さんの死体が上がったぞ」 「えっ……」 「気をしっかり持って、今すぐ来い」 正直は普段着のまま車で向かった。 市内の河辺で見つかったらしい。 約二時間かけて着いた。 雑草が生い茂る中、多くの顔見知りを次々と見つけて行く。 「勝取、こっちだ」 雑草を夢中で掻き分け河辺に着くと、ブルーシートに覆われた小さな人型があった。 「晴…ホントに娘なのか?」 「あぁ、お前の娘さんの顔は知ってる。よく連れて来てたからな」 「……」 「お前も知ってるだろう、身元確認だ」 「あぁ、分かってる」
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