帰省

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集合時間の15分前に会場であるホテルに着いた優花は、受付を済ませてロビーで立っている。 「優花?」 後ろから声をかけられて振り返ると、そこには高校時代に仲が良かった愛華が黒いワンピース姿で走って来た。 「愛華!」 「久しぶりー! 元気だった?」 そう言って飛びついてくる愛華に優花も抱きついた。 「優花全然連絡くれないんだもん!」 「愛華だってそうじゃん。」 「そうだった。 でも久しぶりに優愛コンビ復活だね。」 「うん。 その響き懐かしいな……。」 優花と愛華は高校時代、いつも一緒にいたので優愛コンビと呼ばれていた。 お互い普段は連絡こそ取らないけど、何かあればすぐに力になってくれる心強い友人だ。 愛華が受付を済ませると2人で会場に入る。 結婚式もできる大広間は、既に同級生で賑わっていた。 「優花!」 そう声をかけてきたのは長身の男性。 「光輝!」 光輝は優花と同じクラスで、優花が仲が良い数少ない男性の一人だ。 「久しぶりだな。 元気だった?」 「うん。 光輝は?」 「俺も見てのとおりだよ。 仕事は忙しいけど、やりがいはあるから何とか社畜やってるよ。」 相変わらずの前向き発言に優花は目を細めた。 「大翔(ヒロト)って来てる?」 「ヒロト……? ごめん、その人の事よく覚えてないや。」 優花の言葉に光輝は目を大きく開いた。 「おいおい、ジョーダン!! お前が一番仲良かったんだから、何か聞いてるんだろ?」 そう言われても優花はヒロトについて全く思いつかなかった。 「本当に知らないって。 同じクラスだった?」 「違うクラスだって忘れるはずねーだろ、幼馴染みなんだから。」 光輝は少し苛ついた様に言う。 「幼馴染み? 誰と誰が?」 「は? 大翔と優花に決まってんだろ! 家が隣同士でずっと仲良かったって昔よく言ってたじゃん!」 「え? 隣?」 優花が考え込むと、突然大きな音楽が流れて、感じがマイクを通して挨拶を始めた。
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