同じ夢

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同じ夢

美しい夕焼けを背景に若い男女が抱き合っている。 ただそれだけ。 それだけなのに……。 『会いたい……。』 誰かの声が聞こえてハッと目を覚ました優花は、 「またあの夢……。」 とつぶやいた。 何度も見る同じ夢。 橋の上で抱き合う男女を遠目に眺めている。 最近は誰か男性の声で、 『会いたい』 と聞こえてくる。 抱き合っている女性の方は優花本人、だけど男性の方に心当たりはない。 そしていつも目を覚ますと胸が苦しくて、パジャマの胸のあたりをギュッと掴んでいるのだ。 その気持ちを言葉で表すなら、『切ない』。 優花はわずかに汗ばんだ体を流しにシャワーを浴びる為に起き上がった。
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