第11章:君には大きな翼があるから

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「あのぉ。ちょっといいですか?」  いつものハキハキした感じではなく、可愛らしい女学生の用に、柏木ちゃんが手を挙げる。 「おう。いいぞ!どうした?」可愛らしいので、つい甘くしてしまう。 「オリンポス十二神の名前と、事件被害者の名字が関係あるかも…って思ったんです。」柏木ちゃんは、もじもじしながら話す。  神様の名前と名字?  そういえば、光が鍛治っていう名前はヘーパイストス…って言っていたかも。 「そうかもしれない…。思いついた例は?」  柏木ちゃんにボードに書き出すように促す。…なんだか先生と生徒みたい。 「まずはヘルメスの水谷くん。オリュンポス十二神って、例えば…『ゼウスは木星』とか、対応する天体を持っているんです。ヘルメスは、水星なので水をとって水谷。アテーナは、ギリシアでは守護神…といわれ兜をかぶって生まれてきたそうです。…なので守るの守屋杏奈ちゃん。」 「なるほど。…偶然かもしれないが、気になるな。」 「デーメーテールは、農耕と大地の女神ですが…天体は乙女座だそうです。乙女座…といえば早乙女凛ちゃん。…大石光ちゃんは、まだ思いついていません。」 「あとは鍛治くんのアレースか…。」 「もしかしたら…苗字にアレースを示す言葉がない…と思ったので、杏奈ちゃんと凛ちゃんは動揺したのでは?アレースは軍の神、天体は火星…。」  柏木ちゃんは、相変わらずもじもじ話す。 「早乙女海人がポセーイドン…。ポセーイドンは海の神か。例外的に下の名前からきているな。」  名字と神のつながり…全く、意識してなかった。  柏木ちゃん、サーンクス!! c024c0b5-6e3c-4d01-88c2-4c44f95e8160
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