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雪椿
真っ白な雪に覆われている平原
草花も雪に埋もれ
木も小さな枝に雪を積もらせている
全てが真っ白
静かな世界
雪の降る音さえ聞こえない
平原の中央に1本の木
その木に赤い華が1つだけ咲いている
「椿」
私が嫌いな華
散るときに
ひとひらづつじゃなく
1つの華のまま付け根から落ちるから
悲しくなる
だけど
今、見えている「椿」は好き
真っ白な平原に「色」を足しているから
だけど
やっぱり嫌い
だってもうすぐ落ちるから
真っ白な雪の平原
真っ白だった私の心
1本だけ
残して置いた心の木
「椿」だったなんて知らなかった
1度も咲いたことがなかったから
気づかなかった
愛を知って「赤い華」が咲いた
綺麗だと思った
「白と赤」
満開じゃなく1つだけ
1輪だけ
愛が無くなりそうな私の心
だから
もうこの「椿の華」は落ちる
落ちたら雪に覆われ
赤は消え
白だけになる
「雪椿」
綺麗だけど
綺麗だと思ったけど
私の冷たい真っ白な心に咲いたのは
間違い
咲くべきじゃなかった
「雪椿」
綺麗で
嫌いな華
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