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プロローグ
だだっ広い、瓦礫が積まれた空き地が、都会のど真ん中に広がっていた。
周囲はフェンスで囲まれ、遠くに見える高層ビルの明かりとは対照的に、暗い空間がそこに佇んでいる。
だがその一角で、密かに穏やかな優しい明かりがひとつ、瓦礫の向こう側で灯っている。
ゆっくりとそちらに歩を進めると、突如、足元のざらつきが消えた。
足元に目をやると、木の床が敷かれている。
驚いて顔を上げると、いつの間にか、瓦礫に囲まれて周囲からは隔絶されたような場所に、明かりが灯っていた。
木目の重厚なカウンター。テーブル席もふたつ程置かれ、脇には間接照明が立てられている。背後の棚には所狭しとボトルが並べられている。
これは、バーだ。
ただ戸惑っていると、カウンターの中でグラスを拭いていた男性が、布巾を置き、笑った。
「ようこそ、バー・シックス・ディメンションへ」
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