バーバリアン(2022年 アメリカ)

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とりあえず、デトロイトが荒れ果てたのはホラーとは何の関係もありません。バブル期の日本車の台頭などに押され、産業が衰退し、人口が減少。現在は都市部は盛り返したけれども、郊外は空き家が目立ち、治安も非常に悪いそうです。序盤はそんな町の事情も知らずスマホだけで家をブッキングしてしまって、夜中にヤバそうな住宅街へ降り立ったテスの不安がよく描かれてます。 そこから先も上手くて、現れたキースがまた印象が良くて、親切で、自分の仕事についてもペラペラと話してくれる。それが逆にテスには非常に怪しく写るわけです。テスはホラー映画によく出てくるアッパラパーな女子(笑)ではなく、賢い子だと思います。怪しげな地下室にどんどん踏み込んで行くのはちょっと?でしたけど(じゃないと話が進まないから)。 結果的にキースは本当に見た目通りのいいヤツだったわけなんですが、謎の地下道で再会と思った瞬間、全裸の女が現れて、テスの目の前で彼は殴り殺されてしまうのでした。 タイトルのBarbarianは「野蛮人」とか「未開人」って意味なんですが、まさにそんな見た目の恐ろしい全裸女(ザ・マザー)に囚われたテスは無理やり乳を与えられたりと、どうやら赤子代わりにされてるのだと気付いた彼女は大人しく従います。ところがそこへAJがやってきて、マザーに捕まると大騒ぎ。テスが乳吸えってアドバイス(笑)してるのに(まあ、気持ちはわかるが)。その隙に逃げたテスはアンドレに助けられて地上に出られるんだけど、その後の警察がろくに調べもせず帰っちゃう場面には唖然としましたね。現実的な背景を探ると、デトロイトは行政も人員削減されてて警官も忙しいというのもあるみたいです。「こんな物騒なところで家借りたアンタが悪いんだろ」的な?
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