【課外授業】愛は恐怖を超える⁈

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【課外授業】愛は恐怖を超える⁈

個人的には恋愛要素が絡むホラー映画は大好物です。もちろんホラーにエロは不可欠なものですが(暴論)、大体が即物的なもので恋愛が中心に描かれる作品は意外と少ない気がします。そこで毎度のことですが独断と偏見で「こりゃ愛だろ」と思う作品を紹介していきたいと思います。 『ホーンズ 容疑者と告白の角』(2013 アメリカ) ハリー・ポッターの(って言われるのももう嫌だろうけど)ダニエル・ラドクリフ主演。別れ話をされた翌朝、彼女メリンが殺害されて容疑者となってしまうイグ。味方が誰もいない中、突然彼に角が生え、皆彼の前では本音しか言えなくなる。それを利用して真犯人を探す話です。ホラーというより、ダークファンタジーに近いかもしれない。どちらかというとイグがメリンを一途に想っていた話に見えるけど、あとからメリンの本音がわかるキーアイテムが出てくる流れがグッときました。ラストの真犯人とのバトルもなかなかの迫力。 『バタフライエフェクト』(2004 アメリカ) タイムリープものの傑作だけど、恋愛ものとしても素敵なんですよね。好きな女の子ケイリーを救うため、何度も人生をやり直すエヴァン。ところがやりなおして危機を回避したはずが、エヴァンにとってどんどん酷い状況(この辺は結構ホラー)になっていく。ケイリーを幸せにするために彼が選んだ最後の方法が……切なさ満点。非常によく練られたSFで、ちゃんと伏線が回収されるのも驚きます。今や漫画やアニメにもあふれるタイムリープものですが、これが元祖じゃないかなと。まだ未見でしたら是非。 『返校 言葉が消えた日』(2019 台湾) 1962年、蒋介石率いる国民党の独裁政権下の台湾では市民に相互監視と密告が強制されていた。政府による言論統制が敷かれた白色テロ時代……と難しいことを言われてもピンとこないと思いますが、夜の学校で目覚めたレイシンとジョンティンが異形の者たちから逃れながらチャン先生を探すというわかりやすいホラー作品です。ただ、背景にあるこの言論統制下の状況はもちろん物語に深く影響してきます。好きな本も自由に読めない学生たちの姿は深く心に刺さりましたね(ああ、今の時代に生きててよかった!)。ここに恋愛感情が絡んで、さらに辛い展開になっていくのですが、最後は救いがある……と思います。
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