離れ離れ

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夢を見ました。 眠りについた僕が、目を閉じたまま真っ暗な世界にくっついています。街の建物は全て冷たくなって、窓は閉じ、人の姿はどこにも見受けられません。ただ夜の黒色だけが粘性を持って広がっているばかりです。 その中にぽつりと光がありました。暖かいオレンジ色の光が。中には子供がいます。翼が生えています。つまりは天使でした。 天使は重力に逆らわずにゆっくりと地表へと落ちてきています。見渡せば、同じようにオレンジ色の光がいくつも点在しているのでした。 彼らは姿こそさまざまでしたが、全員違わず目を瞑っていました。疲れ切って眠ってしまったようでもありました。 彼らは目を覚ましていたころは、地球の周りをぐるぐる回っていたのでしょう。けれど力を無くして、地球の重力に引っ張られて、それで僕たちの街へとやってきたのでしょう。 それはこの世の全てが、決まって辿る結末のように思えました。全ての動物と植物と無機物と、命あるものもないものも、なにもかもが最後には力を失い、どこか力のある場所へと引っ張られていく。 そうです。 地球が壊れて、太陽が壊れて、降り立つ場所が無くなったとき、僕らは永い時間をかけてひとつの場所へと落ちていくのでしょう。 そうすれば、最後にはきっと、誰も離れ離れにならずに済むでしょう。
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