星の行く手

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星の行く手

 快晴の秋空。雲も、蜻蛉(とんぼ)も、飛ぶ飛行機の影すらない。ただただ広がる、赤と黄と薄青のグラデーション。  ああ、減法混色だ。すべて混ざると夜が来る── 推敲も、熟考などもせず 脊髄反射のように書き綴ったものって 後で読み返してからハッとすること ありませんか。 この一節はまさにそれで よくこんな表現が出来たものだなあと 書き上げてびっくりした記憶があります。 そしてこれ、同じようなケースが絵の場合にもあって 描いたのは間違いなく自分で 描いてる時の意識もちゃんとあって でも、出来上がった絵は「自分が描いた作品」ではなくて 何か別のものに描かされたような そんな不思議な感覚に陥ることがあります。 俗に言うトランス状態、というのかな。 創作をしている方、そんな経験はありませんか? 55dd1cf7-2e8d-4ece-8ff7-56dd5d90b72c これはデジタル塗りに完全移行する前の 最終期のアナログ画。透明水彩です。 今までは頭の中で どんなにハッキリと完成形が浮かんでいても、 実際に描いてみると全然違うテイストになることが 少なくなかったのですけれども これは今までの中で一番それに近づけた一枚。 二年前の作品ですが これを超えるほど満足いくものは 未だに描けていません。 だからこそ『次こそは』『次こそは』と挑んでいける。 なにかしらの形で自己を表現できる(すべ)がある。 そして、それを受けとめてくれる人がいる。 なんて恵まれているのでしょうか。 と、ね。 ずいぶんアナログで描いていないから ここしばらく、原点に立ち返るつもりで 色鉛筆画に励んでいます。 昔馴染みの皆様は、『色鉛筆』と聞いて 懐かしく感じてくださるかな(っ´ω`c) 下絵は上の絵の彼 自作品『星追い』の主人公、渡辺くんのリバイバル。 彼はきっと一生、空を見上げることをやめません。 75781d52-4919-414c-9755-bcb82cb73da7
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