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電車が到着するたびに 改札口に人が流れる。 彼女はまだ姿を見せない。 今日、言うつもりだったこと。   「もう一度 付き合ってほしい」   彼女が別れたからじゃない。 今フリーだからでもない。 僕が彼女に会いたいと思ったから。 会いたい気持ちは理由なんて 言葉にできない。 ただただ会いたい。 再会したあの日から僕は 彼女に会いたくて仕方ない。 ちゃんと言うつもりで来たんだ。   これはチャンスだ。 クリスマスイブの日に会おうと約束して 彼女がOKしてくれた。 こんなチャンスはもうないかもしれない。 いろんなことを考えていたら どんどん緊張してきた。   年上の彼女の前で 僕はいつも大人ぶっていた。 3歳年上の彼女は 僕に「そのままでいい」といつも言ってた。 頼りない男かもしれないのに 彼女はそのままでいいと いつも言ってくれた。 そばにいてほしいと言ってくれた。   僕はなんで 泣いてる彼女のそばにいて あげなかったんだろうと今なら思う。 何か気の聞いた事なんて言えなくても よかったんだ。 ただそばにいるだけでもよかったんだ。 今なら時間が経ってそう思えるのに。 あの頃は自分じゃ頼りなくて きっと彼女の彼のほうが 僕といるよりきっと幸せなんだろうって 勝手に考えて彼女から去ることを決めた。 僕はこの2年間何度もそう思って後悔した。 だから決めたんだ。 今度はどんな時もそばにいたいって。   改札口の方を眺めると 人がどんどん流れてくる。 僕は改札口の方を見ながら 人ごみの中から走ってくる彼女を見つけた。    
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