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ーーああ、あの時の女の子か……。
ようやく、かぐやは合点がいく。けれど、やはりーー。
「君さーー」
「なつくで構いませんわっ!」
「あーーうん……なつくは体調悪い?」
「いえ?すこぶる元気ですわよ」
「かぐや、いきなりどうしたんだよ……?」
「だってね、まこ。彼女の顔は赤いし、目は潤んでる。おまけに胸を押さえてる」
どう見ても、かぐやには風邪の症状にしか見えないのだ。
「……そうだよな、俺のも伝わってないのに分かるわけないよな」
「私、今馬鹿にされてる?」
なま温かい目で真に見られ、かぐやは苛ついた。
「あなた!さっきからかぐや様に失礼ね!分を弁えなさいっ」
「俺とこいつは幼なじみ。で、こいつは女だぞ?」
「…………女性~~~~?!」
「なつく、うるせえぞいっ」
「す、すみません。親父さん」
なつくは店奥に少し消え、再びかぐや達の前に戻ってきた。
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