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かぐや、変わらず
「おはようございます、真。今日もよろしくお願いします」
「……おはようございます、かぐや」
かぐやは用心のため、護身のため。今でも真の父が師範の道場で研鑽を積んでいる。
「何ですか?人の顔見て笑って……」
「いえいえ。十五夜の時はあんなにしおらしかったのに……元気になって良かっーー」
「わ、忘れてくださいっ!」
ーー最近、まこ私のことからかってばっか!泣き顔なんて見せるんじゃなかった!!
羞恥で顔に熱が集まり、かぐやは誤魔化すように慌てて服を着替えに行った。
「……相変わらず意地っ張りですね。かぐやは」
くすくす笑いながら、真はかぐやの逃げる背を見送った。
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