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「ですから、私は存じませんのっ」
「おいおい~~お嬢ちゃん。俺はただ道を聞いてるだけだぜぇ?」
ーー酔っぱらいが……。
酒瓶片手に女の子に絡んでいるようだ。かぐやは野次馬をかき分け、二人の間に入る。
「どちらに行かれたいのですか?」
「あ?」
「道を尋ねているのでしょう?彼女の代わりに私が聞きますよ」
「おい、坊主。邪魔だ引っ込んでな」
「引っ込むのはあなたですよ、酔っぱらい」
かぐやは男が自分ににじり寄って来た瞬間を狙い、顎を下から拳で突き上げた。
ちなみに、かぐやが男だと思われたのは理由がある。着流しを着ていることと、護身用に刀を持っていることからだ。
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