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★第0話/スタート地点
これから話す物語は、
ラーリングとの事件を解決し、
故郷に戻った雄がWPで働く事を決め、
ある程度の記憶と実力が戻り、
周囲から頼られる存在となった頃の出来事だ。
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「呪われた銀時計?」
「何でも願いが叶う曰く付らしいよ」
雄がムグルと一緒に、〈時空警察〉とも呼ばれる〈WTPO〉の手伝いで異世界を転々としていた時の事だ。
やっとこさ六つ目の仕事内容を終え、振り当てられた一室に戻ってみれば、すでに新たな仕事内容をチェックしたムグル。話を聞いた雄がオウム返しすると、人の欲を満たしてくれそうなオプションをムグルから聞いてげんなりとする。
「そんなものが何で異世界に?」
「どうやら助けてくれたお礼に、金銭が無いからってプレゼントしたらしいんだけど。人伝に渡りてすぎて収拾がつかないんだとか」
「じゃあ交渉で手に入れられる物じゃなさそうだね」
「そう言う事。とりあえず出発は明日だから予習しといて」
「明日!?」
先程報告という名の事務仕事が終えたばかりだと言うのに、ムグルから渡された書類の1枚目に朱印で<至急>とあれば指示に従うしかない。
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