★15話/渾身の等価交換

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「物のついでですし、要は見つけたら情報が欲しいってことですよね? ショバルツさんの私物を持ってさえいれば、持ち逃げなんされることなく。顔を合わせることになるとは思いますけど」 「だろうね。でも、もし親友(シュバルツ)が見つかったら、いの一番に(しら)せてくれ。1発(殴りに)入れに行きたいから」 「了解です」  ヒビキの固く握りしめた利き手を見て、怯えるどころか。至極当然なことだと受け入れた雄は、あっさりと承諾。そこでようやく肩の荷を下ろしたヒビキに、雄はそれとなく1つお願いする。 「ついでに私用として承りますので、俺の事は(ゆう)と呼んで下さい」 「雄ちゃんね。随分交渉が手慣れてるご様子だけど、日常茶飯事だったりするのかな?」 「まぁ、そうですね。それもありますけど、俺も守らなきゃいけない約束があるんで」 「訳ありってことね」  ひとまず交渉が一段落したところで、ズボンのポケットから煙草を取り出したヒビキは、いつもの調子で火を付けようとしてーー止めた。 「そう言えば、雄ちゃんは煙草苦手なんだってね。シュバルツがお陰で外で吸うようになったと言ってたよ」 「そんな事まで話してるんですか?」 「あぁ、手を貸したくなる奴だって聞いてはいたけど……。なるほどね。何となく分かる気がするわ」 「そうですか?」  
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