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「因みに長居出来そうになかったら、リョーイチ君かキョウ君の自宅に上がり込んでも平気かい?」
「それは構わねぇけど」
「あの、リョーイチの自宅は片付け必須なので。俺の自宅にして下さい」
ムグルの申し出にリョーイチが快く応えると、速攻で挙手して提案するキョウとその提案に強く頷いて見せるジークとコヅキ。
どうやら相当リョーイチの部屋は、カオスと化しているようである。
「じゃあシュバルツさん宅に迷惑が掛かりそうになったら、キョウ君の自宅に世話になろうか」
「賛成!」
ーーと、これはコヅキ。
余程リョーイチの自宅が嫌なのか、大喜びしてぴょんぴょん跳ねている。
それに対してリョーイチが複雑な表情を浮かべているが、ムグルは気付かない振りをしたまま話を進める。
「それと、ジーク君」
「なんでしょうか?」
「もし迎えがキョウ君の自宅前になっても平気かな? ヒビキさんへの報告は、直接したいと考えているんだけど」
「そうなんですね。ですが、ヒビキさんへの報告は、僕が電話でしますので。ムグルさん達は、仕事に専念されても問題ありませんよ」
「それじゃあリョーイチ君達の契約は、いつまでの予定でいるのかな?」
普通雇い主が決める期限だがーー。
ようやく発言権を得たリョーイチは、キョウとコヅキの声を合わせて答える。
『勿論、シュバルツって人を見つけ出すまで!』
するとムグルは笑って、自腹で雇うしかない雄に「だってさ」と適当に伝言。そこで苦笑いを溢した雄は、ガックリと肩を落としてから腹をくくった。
「ちゃんと仕事してよー。ヒビキさんにあんま迷惑や心配をかけたくないから」
「分かってまぁーす♪」
雄の忠告にコヅキは明るく答えたが、すでに弾薬をヒビキ頼りにしてるリョーイチとキョウは、ちょっと目を泳がせた。
「ホントに大丈夫かなぁ?」
「まぁ実力は軍お墨付きなんだし、何とかなるんじゃないの? それより待たせちゃいけないから、そろそろ出発しようか」
「それもそうだね」
先が思いやられるとばかりに溜め息を吐いた雄だが、ムグルに促され。ジークの案内でイヌカイが助手席に乗り、運転は検問所でオッサンと呼ばれていたリョーイチの先輩/タカギが勤める軍用の大型運送車の荷台に乗った。
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