25話/決断の分かれ目

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「そりゃ痛恨の選択ミスだな!」 「まぁそれがバレるのも時間の問題だろうから。明日(あした)池袋から離れて、新種の化物(ポーン)が出現するって噂の新宿に拠点を移すつもりだよ」 「随分情報(はなし)が早いな」 「手帳に書いてあったんだよ。仲間の敗因は、本命の取り巻きにあるってさ。それもノーマル化物(ポーン)じゃなさそうなんだよね」 「そりゃ厄介な事この上ねぇな」  今回出現した取り巻きは、よく見かける化物(ポーン)だったため。弱点である仮面を一撃で割れる強度だったが、新種となると話は別だ。 「出来る事なら、本命と鉢合わせする前に狩ってしまいたいんだけどなぁ~」 「オマエお得意の当たりくじはどうした?」 「ピンポイントに此処掘れワンワン出来ると思ってんの? 出来て、化物(ポーン)が出現しそうな場所を当てるぐらいだよ」 「それでもスゲェ事だっつーの」  見た感じ、アプリなど機器的なものを利用してるようではなかったので。直感的な何かが働いているんだろうと、勝手に解釈したリョーイチは、自身の能力を過小評価する雄に溜め息混じりに突っ込みを入れた。 「リョーイチは、そう言う野性的な勘は働かないの?」 「危機管理は出来てる方だと思うけどな。そう言やぁ巡回の時、進化物(ナイト)に遭遇する前に気付いてたよな?」 「それこそ直感だよ。何か胸騒ぎがしたっていうか」 「ほんじゃ塀に登ったのは?」 「窓開ける音がしたから」  そう言われて記憶を遡ってみるが……。  雄ばかり気にしていたリョーイチが気付けるような音ではなかったらしく、即答した雄に「ふ~ん」としか答え様がなかった。 「なんか納得してない御様子だね」 「見た事ねぇ武器使ってたりしてたしな」 「あー……。あれは、発明者じゃないと説明のしようがないからパスするけど」 「分かってる。オレも野暮な質問はするつもりはねぇけどよ。使える武器(もん)は使わねぇと、死ぬぞオマエ」 「ご忠告どうも」  言葉遣いは悪いが、見てて危うさを感じたのだろう。遠回しに人目を気にし過ぎるなと言われたような気がした雄は、リョーイチの心遣いに感謝した。 「因みに、明日同行してくれる人は?」 「オレとキョウぐらいだ。ジークはヒビキのオッサンとこに付くとよ」 「軍人さんだもんねー」  戦力的にはおしい人材だが、立場を考えると致し方無い。それに離れたとしても、恐らくリョーイチとキョウを心配して連絡を取り合ってるような気がしたので。雄は、それ以上のコメントを差し控えた。
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