第5話 問答

2/2
33人が本棚に入れています
本棚に追加
/13ページ
 しかし、いざニーナと夜に二人きりになってみると……  横に佇むニーナの大いなる包容力に身を任せたい衝動に狩られてしまったのだ。    ……ああ、あの大きなスライムに体をうずめてみたい……きっとひんやりしていて気持ちがいいだろうな……  横にいるのがただのスライムなら、迷わずそうしたと思うのだが、中身がニーナだと、二の足を踏んでしまう自分がいた。  ニーナは静かにしている。もう眠っているようだ。俺はそっと自分のスペースを抜け出す。 「なあ、ダンテ」 「なんだ」  俺はダンテに思い切って尋ねた。 「『初恋の女の子の体が溶け込んだスライム』に全裸で飛び込んだ場合、セックスしたことになると思う!?」 「なると思う」 「そんな! じゃあ海に入ったやつは海とセックスしていることになるの!?」 「なると思う」 「砂風呂に入ったやつは砂とセックスしていることになるの!?」 「なると思う」 「そんな無茶苦茶な!」 「最後二つは冗談だよ。だけど、最初のはそうじゃね? お前に下心があるんだろう?」 「し、下心……?」
/13ページ

最初のコメントを投稿しよう!