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第6話 接近
「まあ俺は、お前が全裸でスライムに飛び込んでセックスしてても別に構わねえから。好きにすりゃいいじゃん?」
そう言うと、ダンテは横にいるサキュバスと戯れだした。俺もこの光景は見慣れているが、さすがに凝視するわけにもいかないので、そそくさと自分の所に戻る。
自分のスペースの仕切りにしているカーテンを開けると、ニーナが壁の隅に寄っていた。
「ニーナ、起きてたの!?」
ニーナは小さくポヨンと弾んだ。
まずい、すぐそこでダンテと話してたんだ。さっきの会話、丸聞こえだったんだろう。
俺はニーナに近づき、つるんとした肌に触れようとした。
「ニーナ……」
(きゃー! 来ないで! 私に飛び込んじゃだめよ!)
「ニーナ、落ち着いて、少し触るだけだから」
(だめよ、私、軽い気持ちでスライムに体を埋めたのに取り込まれてしまったの。触るのも危ないわ)
「体を埋めたって……まさか全裸!?」
(違うわ、ルーカスの馬鹿!)
「だよね。ごめん。だけど俺は『スライム専門の魔物使い』なんだ。取り込まれたりなんかしないよ。大丈夫だから」
ニーナが大人しくなったのを見計らって、改めて近づく。
「ニーナ……昔から、好きだったよ。今まで誰とも話せず寂しかっただろう? だけどこれからは俺がいるから」
(ルーカス……)
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