第2話 初恋

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「え? やだな。普通に人間の女に興味あるってば」 「その割には浮いた話聞かねえな。こういう人型モンスターにも反応薄いし。同室の俺としてはそれがありがたいけどよ。もしかしてスライムに欲情するタイプ?」 「な!? やだなあ! そんなことないよ!」 「まあそんなムキになるなって。魔物に欲情する魔物使いなんて珍しくねーよ」 「だから、違うってば」  俺は首をぶんぶん横に振って、慌てて自分のベッドに転がった。寝そべる俺の体に次々スライムが乗ってくる。  いやいや、スライムに欲情なんてとんでもない。人間の女じゃこうはいかないって。人間の女、乗ってきたことないけど。彼女いたことないからね……  しかし、唇がぷっくりしたスライムとキスしたり、二匹のスライムを並べて揉んだことはある……だけどそれは、スライムの向こうに人間の女を想定しているのであって、スライムを性的に弄んでいるわけではないのだ。  現に、初恋はちゃんと人間の女の子だったし――  そう、俺はここで、初恋の女の子をふと思い出したのだ。同い年で近所に住んでいた子だった。唐突に引っ越してしまい、それ以来会っていない。  たしか、その子が引っ越した町、今日行った森の近くじゃなかったっけ?  一度、会ってみようかな……  俺は、早速翌日、その町に向かった。
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