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「え? やだな。普通に人間の女に興味あるってば」
「その割には浮いた話聞かねえな。こういう人型モンスターにも反応薄いし。同室の俺としてはそれがありがたいけどよ。もしかしてスライムに欲情するタイプ?」
「な!? やだなあ! そんなことないよ!」
「まあそんなムキになるなって。魔物に欲情する魔物使いなんて珍しくねーよ」
「だから、違うってば」
俺は首をぶんぶん横に振って、慌てて自分のベッドに転がった。寝そべる俺の体に次々スライムが乗ってくる。
いやいや、スライムに欲情なんてとんでもない。人間の女じゃこうはいかないって。人間の女、乗ってきたことないけど。彼女いたことないからね……
しかし、唇がぷっくりしたスライムとキスしたり、二匹のスライムを並べて揉んだことはある……だけどそれは、スライムの向こうに人間の女を想定しているのであって、スライムを性的に弄んでいるわけではないのだ。
現に、初恋はちゃんと人間の女の子だったし――
そう、俺はここで、初恋の女の子をふと思い出したのだ。同い年で近所に住んでいた子だった。唐突に引っ越してしまい、それ以来会っていない。
たしか、その子が引っ越した町、今日行った森の近くじゃなかったっけ?
一度、会ってみようかな……
俺は、早速翌日、その町に向かった。
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