第4話 美しきスライム

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 このスライムはなんとしてでも手懐けたい――そう思って手を伸ばしたとき、 (あなた……ルーカス……?)  スライムから声がした。口がないので話しているわけではない。心に語りかけて来ているのだ。 「どうして、俺の名前を?」 (昔……一緒に……遊んだくれた……でしょ……) 「君、もしかして、ニーナなのか!?」 (ええ……昔……軽い気持ちでスライムと触れ合ってしまったの……そしたら……スライムに取り込まれてしまって……) 「そうだったのか……」 (たまに……家が懐かしくて……帰ってくるの……だけど……お母さんに……話しかけることも……できなくて……) 「そうか……」 (ルーカス……あなたは……どうして私の声が聞こえるの……?) 「俺は、魔物使いになったんだ。それもスライム専門の!」 (そう……ルーカス……私……どうしたら……) 「それは……」  かなり昔に取り込まれてしまっているから、ニーナはもうもとの姿に戻れないだろう。ニーナとしての意識はあっても、この姿のままだ。 「とりあえず、俺のところにおいでよ」  俺は迷わずそう言った。ニーナは元に戻れなくて辛いかもしれないが、スライム好きの俺としては、ニーナがスライムでも問題ない。とにかく連れて帰ろう。
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