Episode.1 嫌いな人

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【数ヶ月前】 いつも通り行き慣れた通学路を歩く。 俺の隣にはいつも通り、厚濃 葵(こうのう あおい)という俺の憎くて憎くて堪らない幼馴染みがいる。 「お前さ、いい加減1人で学校行けよ。」 「なんで??茨演の隣が1番落ち着くよ?? だってオレ、茨演が居ないと生きていけないもん。」 「俺を勝手に利用すんな。」 落ち着くのはお前だけだろ。と腹を立たせながら歩く。 今日から高校2年生だ。 かと言って変わるのはクラスメイトくらいで、やっぱりいつもの日常と大差は無い。 敏錠 茨演(としじょう しの)… 敏錠 茨演…。 学校に着いた俺は新しいクラス分け表に自分の名前を探す。 「あー!やったー!!茨演、また一緒だね!!」 「…は?」 自分より先に嫌いなあいつが俺の名前を見つけ、更に最悪な1年の幕開けの知らせが心に届く。 「席も隣だといいねっ♡」 「…最悪。」
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