247人が本棚に入れています
本棚に追加
【数ヶ月前】
いつも通り行き慣れた通学路を歩く。
俺の隣にはいつも通り、厚濃 葵(こうのう あおい)という俺の憎くて憎くて堪らない幼馴染みがいる。
「お前さ、いい加減1人で学校行けよ。」
「なんで??茨演の隣が1番落ち着くよ??
だってオレ、茨演が居ないと生きていけないもん。」
「俺を勝手に利用すんな。」
落ち着くのはお前だけだろ。と腹を立たせながら歩く。
今日から高校2年生だ。
かと言って変わるのはクラスメイトくらいで、やっぱりいつもの日常と大差は無い。
敏錠 茨演(としじょう しの)… 敏錠 茨演…。
学校に着いた俺は新しいクラス分け表に自分の名前を探す。
「あー!やったー!!茨演、また一緒だね!!」
「…は?」
自分より先に嫌いなあいつが俺の名前を見つけ、更に最悪な1年の幕開けの知らせが心に届く。
「席も隣だといいねっ♡」
「…最悪。」
最初のコメントを投稿しよう!