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「愛莉……」
誉が名前を呼び、眠る愛莉の頬に触れた。すると、愛莉が身じろぎし、ゆっくりと目を開けた。
「……誉さん?」
ぼんやりした様子で、誉の顔を見上げる。誉と颯手が、目を覚ました愛莉に、ほっとした表情を浮かべた。
「気分はどうだ?」
「愛莉さん、気分はどう?」
ふたりが同時に愛莉に問いかける。愛莉は、
「胸が痛いです。痛くて、痛くて……」
と瞳を潤ませると、
「……話を聞いてもらえますか?」
と言って、体を布団の上に起こした。
「ああ」
「もちろんや」
誉と颯手が頷くと、愛莉はぽつりぽつりと話し出した。
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