3.地主神社の恋占いの石

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 愛莉と一緒にお祈りをした後、わたしは意気揚々と『恋占いの石』に戻った。 「愛莉、わたしやってみるね。向こうに辿り着いて見せるわ」 「杏奈ちゃん頑張って!」  愛莉の応援を背中に聞きながら、わたしは石の前に立つと目をつむった。神経を集中させて、一歩一歩前に進む。人の気配がしたら立ち止まり、ぶつからないようにして、また歩き出す。ゆっくりゆっくり進み、トン、と何かが爪先に当たった気がして、目を開けると、 「やったあ!着いた!」 目の前にもう片方の『恋占いの石』があった。 「着いたわ、愛莉!」  目をつむるわたしについて来ていたのか、いつの間にか隣にいた愛莉に飛びついて喜ぶと、愛莉はわたしの体を抱き返し、 「ふふっ、良かったね。きっともうすぐ、杏奈ちゃんの想いが、颯手さんに届くね」 と言った。思わず、 「えっ!」 と叫んで、体を離す。 「ど、どうして知ってるの!?わたしが好きなのが、颯手だって」  焦って問いかけたら、 「見てたら分かるよ。だって、杏奈ちゃん、一生懸命なんだもの」 愛莉はそう言って、にっこり笑った。 「~~~っ」  頬に一気に血が上った。 (わたし、そんなに分かりやすいのかな!?)  熱くなった頬を挟み、狼狽する。 (もしかして颯手も……気づいているのかな?)  だとしたら、嬉しい……いや、それよりも恥ずかしい気持ちが勝って、 「愛莉!奥に行ってみよう!他にもお社があるみたい」 わたしは赤くなったことを誤魔化すように、愛莉の手を引っ張った。
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