3.地主神社の恋占いの石

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 境内の奥に進むと、『水かけ地蔵』『撫で大国さん』『銅鑼の音祈願』『おかげ明神』と様々なお祈りスポットがあり、 「これだけ色々あると、絶対、良縁に恵まれそうな気がする」 わたしは、実穂が地主神社を「恋愛のパワースポット」だと言っていた意味が分かった気がした。 「神様は縁を結んでくださるものっていうのが、ここに来ると実感できるね」  愛莉が『おかげ明神』に歩み寄ると、立札を見上げ、 「見て、杏奈ちゃん。『一願成就』だって。北野天満宮のお牛さんと同じだね。ああでも、お社の後ろの御神木は、丑の刻参りに使われた『のろい杉』なんだって。左側の後ろの方に五寸釘のあとがあるらしいよ」 と目を丸くした。 「丑の刻参りって、藁人形に釘を打ち付けて相手を呪う呪法よね」  本当にそんな跡があるのかと思い、愛莉と一緒にご神木を回り込んでみると、確かに木の幹にいくつかの穴が開いている。眺めていると、なんとなく背筋が寒くなって来て、 「愛莉、もうここはいいから、お守りを見に行きましょう」 わたしは急いで愛莉の手を引いた。
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