3.地主神社の恋占いの石

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 拝殿まで戻ると、ショーケースの中に、様々なデザインのお守りの見本が並べられていて、 「わあ!たくさん種類がある」 わたしは、端から端にゆっくりと視線を向けた。その中に、実穂が持っていたのと同じ赤い縁結びのお守りを見つけ、 「『良縁のお守り』。よし、これにしよう!」 と決めると、若い巫女に、 「このお守りをひとつください」 と声を掛けた。巫女から、 「よう、お参りくださいました」 と言われて、お守りを受け取ると、隣で愛莉が真剣な表情で悩んでいる。 「うーん、誉さん、こういうの持ってくれるかな……」  ぶつぶつ言いながら、赤と青のペアのお守りを見つめている愛莉に、 「愛莉が渡したら、持ってくれるんじゃない?」 と声を掛けると、 「そう、かな……」 愛莉は自信がなさそうな顔をした。  愛莉はしばらくの間、悩んでいたが、心を決めたのか、 「これを下さい!」 と言って、ペアのお守りを購入した。 「ふふっ」 「買っちゃったね」  ふたりで顔を見合わせ、笑い合う。そして連れ立って地主神社の鳥居を出ると、再び清水寺の境内に戻り、ゆっくりと散策をしながら正門まで戻った。
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