3.地主神社の恋占いの石

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 「MIHO」と書かれた可愛いプレートのかかった部屋の前に行くと、夏巳は軽く扉をノックした。 「みっちゃん、お見舞いに来たよ」  夏巳が声を掛けると、 「なっちゃん?」 中から扉が開き、パジャマ姿の実穂が顔を出した。 「今日も来てくれたの?」  弱々しく微笑んだ後、 「あっ、杏奈ちゃん」 わたしの姿を見つけて目を丸くした。 「杏奈ちゃんも来てくれたんだ」 「実穂、具合はどう?」 「うん、今日は調子がいいの。どうぞ、入って」  実穂に促され、わたしと夏巳は彼女の部屋に入った。部屋の中はカーテンもベッドカバーもピンク色で統一され、チェストの上に並べられたぬいぐるみが、女の子らしい部屋の雰囲気を醸し出している。 「はい、クッション」  実穂がハート型のクッションをふたつ出してくれたので、わたしと夏巳はそれぞれ腰を下ろした。  ベッドに腰掛けた実穂に、 「これ、お見舞い。ケーキなの。良かったら食べて」 と言って、颯手のケーキが入った紙袋を渡すと、 「わあ!ありがとう!ごめんね、気を遣わせて」 実穂はお礼を言った後、少し申し訳なさそうな顔をした。  紙袋をテーブルの上に置いた実穂に、 「食事は出来てるの?」 と尋ねると、 「ちょっとだけ。……ふふっ、病気ってダイエットにいいのかもね。体重減ったよ」 「バカ!そんなダイエット、良くないわ」 実穂が自虐的なことを言ったので、わたしは目を尖らせて叱った。
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