3.地主神社の恋占いの石

24/26
前へ
/191ページ
次へ
「それにしても、どこでこんなものを手に入れたの?まさか……自分で作ったの?」  陰陽師でもない夏巳が呪いの藁人形を作って、ここまで効果が出せるのだろうかと思って首を傾げていると、夏巳は、 「買ったの……」 もう隠しておくのは無理だと思ったのか、素直に答えた。 「買った?」 「うん。SNSに実穂の悪口を書きこんでいたら、話しかけてきた人がいたの。『そんなに憎いなら、呪ってみませんか』……って」 「えっ、何よそれ!?呪いを売ってる人がいるっていうの?」  驚いて大きな声を出したら、夏巳は、 「『呪い屋』って名乗ってた」 と言った。 「その『呪い屋』のこと、もっと詳しく教えて」  問いただすと、夏巳は首を振り、 「私もよく知らない。藁人形はお金を振り込んだら郵送で送られて来たし、その後、アカウントもブロックされたみたいで、連絡先も分からなくなった」 と答える。  自分がしでかしたことを反省しているのか、萎れた様子の夏巳を見つめながら、わたしは、 (『呪い屋』って、一体、何者なの……?) 難しい顔で眉根を寄せた。   *  
/191ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1113人が本棚に入れています
本棚に追加