2人が本棚に入れています
本棚に追加
あるところに哀れな少年がいた。
父と母を事故で無くし
一人スラム街をさまよっていた。
そこは死体の悪臭とどこからか聞こえる叫び声が
いつも聞こえる場所だった
そこに住む住人たちは表に出れば
石を投げられ蔑まれる
そういう存在になってしまった少年の目は
死んでいた
ある時、彼は盗みを働こうとした
それはしょうがないことだった
彼を捕まえた旅人は
それを見越し
少年に少しばかりの金を与え
解放した
少年はこのまま刑務所に行ってもよかった
盗みを働いた
それは
スラム街に住んでようが
哀れな少年だろうが
罪は罪
だから、解放してくれた旅人に対して
少年は久しぶりに優しさを感じた
少年は旅人の後を追い
頭を下げて頼んだ
どうか僕を連れて行ってください
最初のコメントを投稿しよう!