約束
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約束
「戻ってくるから、絶対。戻ってきて、
月子
(
つきこ
)
と結婚するから」 彼はわたしをかたく抱きしめ、悲痛な声で誓った。 「絶対なんて、この世にあるの?」 わたしの声は、震えていた。 「あるよ。約束する」 初夏の海風が、これから引き裂かれる運命のわたしたちの頬をなぶってゆく。 「10年後の今日、この橋の上で逢おう。必ず」
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