episode259 復讐の計画①

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部屋の内線電話が鳴った。 それで――。 「あ……」 ひとつ大事なことを忘れていたことに気づく。 「もしもし」 「ひどいな。今の今まで僕の事忘れていたって声だ!」 受話器を上げると即答えた。 僕のせいで警察に連行されていった可哀相なナイトだ。 「まさか!まさかだよ。あなたの心配ばかりしていたさ」 「ほぅ。それはそれは」 分からないはずないのに。 でもこれが社交辞令ってもんさ。 「それで?大丈夫でした?」 「ああ。満くんが機転を利かせて迎えに来てくれたよ。アホで間抜けな当主の誤解だったとね」 思わず互いに吹き出した。 「あーあ。僕、満くんと結婚しようかな」 「ええ、ええ。従兄弟同士なら結婚できますよ」 「ところで笑っている場合なの?」 僕は受話器越しに肩をすくめる。 笑っている場合かって? 「まあ。殺されそうになった次は追い出されそうだけどなんとか」 僕は含み笑いで言った。 「これから手を打つところです」
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