episode259 復讐の計画①

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突き放されると途端に怖くなる。 「この期に及んで何か言い訳するつもりか?」 「だからそれは誤解で……」 「誤解?」 「九条さんの部屋で僕は……」 ああそうだ。 すべては間違いだったと。 僕はあなたの部屋へ行こうとした。 でも彼が引き留めたんだ――。 あなたがいつもそうするみたいに強引に。 だから仕方なかったのだと。 ズルい頭で咄嗟の言い訳捻くり回していたその時だ。 するすると手摺に白い手を滑らせながら 薫が螺旋階段を下りてきた。 途中で僕らの存在に気づいてあからさまイヤな顔をする。 分かるよ。 誰にとってもこれはバッドタイミングだった。 薫は氷より冷ややかな眼差しで僕らを交互に見やる。 それでも根っから律儀ところがあった。 「征司兄——」 言いにくそうに眼を逸らしたまま 薫は咳払いして口を開く。 「分かってるだろうが、こいつ——昨夜うるさいくらいにないてたぞ」 「薫お兄様っ……」 確かに そう言ってくれとは――頼んだけれど。
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