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それでノートに書かれた名前に大きく丸をする。
冴木——征司――九条さん。
僕が今味方につけるべき3人の男。
「ねえ、椎名さん教えて」
「何を?」
僕は丸を付けた名前をひとつひとつ線で繋ぎながら尋ねる。
「全くバラバラな問題を3つ抱えてる。それをいっぺんに解決して——おまけに目障りなものも消したい」
言いながら貴恵の名前には二重線を引いた。
椎名さんはまるで僕の耳元にいるみたいに
艶めかしい溜息を吐いて答える。
「そんなの簡単じゃないか」
「簡単?」
「そうさ」
単なる強がりではないらしい。
受話器越しにもさすがの錬金術師が力強く頷くのが分かった。
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