ああ、本当に君なんだ

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ああ、本当に君なんだ

 僕は彼女を強く、強く抱き締めた。  彼女のせつないまで細くて柔らかいその体が、僕の長年の思いと結び付いた。 「もう、離さないよ。離したくない」  気がつけば、僕は涙で彼女の顔が見えなかった。 「い、痛いわ。光博君……。本当に、あなたなの?」  懐かしい彼女のか弱い声が、甘く優しく僕の鼓膜を通り抜けた。
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