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「私を連れていってくれないだろうかとか―」
七月は腕を組み、小首を傾げるような仕草をした。
「他力本願ですね」
「自分でわざわざ、この世から去るような気力もないんですよ。
そういう人間なので。
いつも流されるままです」
「校長は、おね―― おばさんとは何処で?」
「いや、そこに立ってたらね。
話しかけてきたんですよ、華月さんが」
と指差した先には、七竈があった。
七月は眉根を寄せる。
「なんだって、あんなところに立ってたんです?」
つい、物好きな、という目で見てしまう。
「何か見えないかな、と思ったんです。
そしたら、びっくりしましたよ。
かつて、そこに居て、殺人を繰り返していた人がですね。
私の真横に立っていたんです」
……何処から突っ込もうかな、この話。
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