第四章 始まりの人

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「えーと?  かつて殺人を繰り返してるところが見えてたんですか?  殺人を繰り返してたのは、おねえちゃん?  生身で?」 「そりゃあ、さすがに捕まるでしょう」 と校長は、あくまでも冷静に告げる。 「じゃあ、今もみんなに見えている、あの霊現象のことですか?  ってことは、校長は、以前は見えてたんですね? 霊」 「そうなんですよ。  でも、或るときを境に見えなくなりましてね」 「或るとき?」 「私がとある殺人事件に関与したときからですよ。  本当は、理事長の横領事件なんかじゃなくて、そっちを調べに来てたんでしょう?  槻田くん」  その呼びかけに、仕方なく、校舎の陰に隠れていた槻田が顔を出す。
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