第四章 始まりの人

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 現れた槻田をつい、冷たい目で見てしまう。 「……ケーサツの人って、いいとこで出てくるもんなんじゃないの?  なんで、見つかるの。  図体がでかいから、隠れ切れなかったの?」  まだ問い詰め終わっていない。  槻田が顔を出さない方が話を聞きやすいかと思って、隠れてもらっていたのに。  もう~っ! と睨む七月を、いやいやいや、と校長が宥めに入る。 「貴方が居るのなら、彼も居ると思っただけですよ」  何故、貴方がフォローを入れてくださいますか……、と彼を見た。 「しかし、完全に今から尻に敷かれてますが、大丈夫ですか?」  槻田は、問い詰めている犯人に、余計な心配までされていた。 「大丈夫ですよ。  別に槻田先生とはそんなんじゃないし」  槻田ではなく、七月が答える。 「それに、頼りになるようでいて、ちょっぴり詰めが甘いところも、実はキライじゃないんです」  どさくさ紛れに、今の素直な気持ちを吐露すると、校長は、それはそれは……といつものように優しげに笑った。  胸が痛くなる。  そんなに接点のなかった人物だが、悪い噂は聞かなかった。
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