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「おねえちゃんは、左肩の霊の話をしたんですよね?」
校長の左肩を見ながら、七月は確認するように七月は問う。
「左肩はだいたい、守護霊とかの、いい霊が憑くっていいますけどね」
「俺は、左についた悪霊を見たことがあるぞ」
だから、そういう余計なことを言うなって……。
空気を読まない槻田を再び睨んだ。
「校長は昔、霊が見えたのに、今は見えなくなってるんですよね。
それは、たぶん、その霊が憑いたからです」
そう言うと、校長は不可解そうな顔をした。
「その女の霊は貴方を守ってるんです。
だから、霊が見えなくなったんですよ。
守護霊が強いと、霊感が強くても、霊が見えなかったりしますからね。
なんでもかんでも見えるというのは、あまりいい状態じゃないんですよ。
少し、弱っているというか。
ガードが甘くなっているというか。
つまり、その霊が憑いたことで、他の霊から守られ、運気も上がったって、感じですかね?
おねえちゃんは、そこまで説明しませんでしたか?」
「いえ。
何か楽しそうに笑ってるだけでした」
……そうかもな、と思う。
あの人ならそうかもしれないと思った。
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