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それに、話さなくても、いずれ、校長は気づくと思っていたのかもしれないし。
自分がいつか話してもいいと思っていたのかもしれない。
だが、その前に華月は死んでしまった。
「……ひとつ訊いてみるんですけど。
校長は、おねえちゃんを殺していませんか?」
校長は目を見開いた。
「ああ、いえ。
訊いてみただけです。
ひとつずつ、候補を消して行きたいだけなので」
そう言うと、校長は、ぽつりと漏らした。
「ああいう人でも、殺されたりするんですねえ。
何かこう、別の世界に住んでるような人でしたけど」
今は華月の話をしている場合ではないとわかっていたが、もうひとつだけ訊いてみた。
「校長は、おねえちゃんのこと、詳しいですか?
あの、交友関係とか」
ああ、という顔を校長はする。
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