第四章 始まりの人

144/159
前へ
/452ページ
次へ
 それに、話さなくても、いずれ、校長は気づくと思っていたのかもしれないし。  自分がいつか話してもいいと思っていたのかもしれない。  だが、その前に華月は死んでしまった。 「……ひとつ訊いてみるんですけど。  校長は、おねえちゃんを殺していませんか?」  校長は目を見開いた。 「ああ、いえ。  訊いてみただけです。  ひとつずつ、候補を消して行きたいだけなので」  そう言うと、校長は、ぽつりと漏らした。 「ああいう人でも、殺されたりするんですねえ。  何かこう、別の世界に住んでるような人でしたけど」  今は華月の話をしている場合ではないとわかっていたが、もうひとつだけ訊いてみた。 「校長は、おねえちゃんのこと、詳しいですか?  あの、交友関係とか」  ああ、という顔を校長はする。
/452ページ

最初のコメントを投稿しよう!

528人が本棚に入れています
本棚に追加