プロローグ ~学園の怪談~

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プロローグ ~学園の怪談~

     夕暮れの図書室。  大きなデスクに腰をかけた七月(なつき)は弥生の話を聞いていた。  沙智(さち)時子(ときこ)、それに、三橋たち。  彼らは飽きもせず、怖い話をしている。  寄ってくる寄ってくる。  そんな話してると、寄ってくるって。 「生物準備室の骨格標本がね―」 「動くんだろ?」  三橋に先を言われた弥生は、厭な顔をして、彼を睨む。 「……踊るのよ」 「お前、今、作ったろっ、それ!」  怒鳴る三橋から、つん、と弥生は顔を逸らした。  椅子に座っている弥生は、七月の腰かけているテーブルに腕を置き、言う。 「七月、面白くないわ、この男。  なんとかして」 と言う。  いや、私に言われてもな……。
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