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そうだ。
玲央菜の学校。
それを訊こう。
もしかしたら、学校で会えるかもしれない。
「あの、玲央菜──」
「君もそこの学校かい? だったら、早くおゆき」
なんなんだ、このお婆さん。
人の話なんか全く聞かない。
少しイラッとする。
でも、学校が特定できた。
そこの学校に玲央菜がいる。
それとそこは、
一年近く行っていなかった、あたしの学校だ。
「そう。じゃあ、あたしは行くよ」
お婆さんは何も言わなかった。
去り際にみた笑顔は、まるで玲央菜のよう。
人間は年をとると、あんなにせっかちな性格になるのか。
いつものように外へ出てきたから今は私服だけど、別にいいか。
制服なんかどこかへいったし、今更いらない。
下は黒のパンツに、上は灰色のパーカー。
今日に限ってダサイ格好で来てしまった。
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