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階段を上りきり、二階の廊下を見渡してみた。
左右に伸びる長い廊下。
一定の間隔で教室が並んでいる。
ここは、一年生のフロア。
しまった。
お婆さんに玲央菜が何年生か訊いておくべきだった。
この中からたった一人を探すのは苦労する。
そんな時、一人の男子が教室から飛び出てきた。
丁度良い。
あいつに聞いてみよう。
トイレへ向かう途中なのか、友達とふざけている途中で飛び出てきたのかはわからない。
男子が小走りで近付いてくる。
「ねえ」
その一言に、男子は足を止めた。
あたしの姿を上から下へ観察する。
そして、最後には目が合った。
「きいてんの?」
「あ……はい、すみません」
少し肩を竦めて、申し訳なさそうに頭を下げる。
その後も、場違いな服装のあたしをまじまじと見つめていた。
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