繰返‐くりかえし‐

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しばらくそのままそこに立ち尽くしていた。 みたらし団子は食べたい。 でも、店員は呼ばない。 今日は、帰ろう。 そう思って踵を返した。 「おや、お客さんかな? ベルの音に気付かなくて、ごめんね」 あたしが振り替えると、カウンターに居たのは小さなお婆さん。 年は70歳くらい。 腰は曲がってよれよれだけれど笑顔が素敵、そんな人だった。 娘さんの笑顔は、お婆さん譲りなのか。 「いや……ベル押してないんだけど」 あたしは冷たく吐き捨てた。 こんな言い方するつもりじゃなかったのだけれど、自然とこうなってしまう。 人付き合いに慣れていないから。 「そうかい。……じゃあ、玲央菜のお友達かな?」 玲央菜。 お婆さんはそう言った。 女の子の名前は、玲央菜。 覚えた。 けれど、ここにはもう用事がないから、もう帰ろう。 「……違うよ。友達──」 「玲央菜は学校へ行っとるよ。君、学校は?」 次々に質問してくる。 学校? 見れば分かるじゃん。 行ってないんだよ。 あたしが不良だって、分かって言ってるのか。 それともわざとなのか。 でも依然として、お婆さんは笑顔だった。
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