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階段を上りきり、三階に到着したところで足が止まる。
必ずしも、今日確認しなければならないことではない。
今度、和菓子屋のお婆さんを訪ねれば良いだけじゃないか。
好奇心だけで行動するものではない。
その時だった。
大きな笑い声が耳に入った。
複数人の女子の笑い声。
楽しそうな笑い声。
そちらへ顔を向ける。
場所はトイレ。
あたしは自然と、そこへ向かっていた。
これで二年生でもないなら、必然と玲央菜は三年生ということになる。
ポケットに手を突っ込んだまま、ゆっくりと歩いた。
一人よりも何人かに訊いた方が良いに決まっている。
やがて笑い声が近くなり、あたしはトイレの前に立った。
女子トイレ。
都合が良い。
「とっとと言うことを聞いてれば、誰も殴ったりしなかったのに!」
中から、女子生徒の声が聞こえる。
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