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「ねえ」
たった一言。
あたしの声で、その場にいる皆が振り向いた。
いじめっこたちの視線は、あたしを舐め回すように上から下へと移動する。
そして、真ん中のホースを握っている女子と目が合う。
あたしと同じような髪色にピアス。
ただ違うとすれば、ロングの髪をポニーテールで結っているところ。
ピタリと動きが止まる。
ホースから発射される水は、誰も捉えない壁に直撃していた。
女子たちは何も言わない。
「きいてんの? ねー」
あたしはそのまま表情を変えずに、手を振って見せる。
なんだこいつら。
生きてんのか?
返事くらいしろよ。
無視するこいつらに少し頭くる。
「チッ」っと舌打ちをして、視線を虐められていたこの方へ向けた。
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