繰返‐くりかえし‐

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こんな感情は初めてだった。 体の奥から沸き上がってくる怒り。 無意識に握り拳を作る。 「てめぇら、全員ぶっ殺──」 そう言いかけた時だった。 玲央菜が目を見開く。 慌てたように、恐怖へと表情が変わる。 そして、あたしが一歩踏み出した瞬間。 ──── 「ハッ……!!」 あたしはベッドから上半身を起こした。 汗が頬を伝って、顎の先から滴り落ちる。 袖で汗を拭った。 暫くの間、あたしはそのままじっとしていた。 悪夢。 思い出せないが、何か〝悪い夢〟を見ていたような気がした。 ここは、あたしの部屋だ。 ゆっくりと部屋の中を見回す。 普段と何も変わりはしない。 ふと、時計が目に入る。 時刻は昼過ぎ。 こんな時間に目が覚めてしまった。 夢の内容は、何も思い出せない。
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