玲央菜‐れおな‐

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私が席を立とうとした瞬間、目の前に例のギャルたちがやって来た。 心拍数が上がり、恐怖にかられる。 「帰るの?」 「……帰ります」 独り言のように小さく呟く。 そう言って立ち上がると、ギャルたちが私を囲むようにした。 逃げられない。 大好きな本を両手で抱き抱える。 「私、悪いことなんて、してないじゃない……!」 「ウザいんだよ、ただ単に」 理不尽。 私は何もしていない。 遊び相手がいれば、誰だって良いんだ。 それがたまたま私だったんだ。 自分達よりも格下の相手を虐められれば、それで良いんだ。 「その本さぁ──」 リーダーの少女が私の本を取り上げる。 嫌な予感しかしない。 この本は、一生懸命おうちのお手伝いをして手にいれたお金で買った大切な本。
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